阪神・淡路大震災の教訓

1995年1月17日午前5時46分、震源を淡路島の深さ16kmとしたマグニチュード7.2の巨大地震が兵庫県南部地方を中心とした一帯を襲いました。 死者6千人以上、全壊家屋10万棟以上、建物火災約260件の凄まじい被害を出したこの地震は私達にどういった教訓を残したのでしょうか?
このページでは、数ある教訓のうち後の防災訓練に関係してくる一部を抜粋して紹介させていただきます。

 

1. 備え付けの消火器が見つけられず初期消火ができなかった

この初期消火の遅れにより建物が密集している地域では延焼がおき、結果として約260件の火災が発生しています。 これは常日頃の防災意識の低さからもたらされたものだと言っても過言ではありません。 消火器は、消防法により街のいたるところに配置することが義務づけられています。
普段から自分が住む地域のどこに消火器があるか把握しましょう。

2. 家屋倒壊、火災による道路閉塞

阪神大震災では、家屋倒壊、火災、電柱の倒壊などにより道路が通れなる事態が発生しています。
では、道路閉塞によりどのような問題が起こるか考えてみましょう。

まず、公共機関とりわけ警察・消防機関といった災害時に最も必要となる機関の機能が低下します。
とりわけ消防車の出動の遅れは初期消火の遅れにもつながります。阪神大震災では、この初期消火の遅れによる家屋の延焼がありました。 いざというとき、消防車の到着を待たずに住民の方々が手をとりあって初期消火に努めるのも大事なことです。

つぎに、地域住民みなさんの立場で考えてみましょう。
みなさんは地震が起こったとき、起こった後どういう行動をとりますか?
地震が起こった時、とりわけ震度7を超える地震となると「机の下に隠れる」「テーブルの下に隠れる」といった行動はとれません。 震度7以上の強い揺れのなかではまともに立ち上がることも困難になるのです。よって、住民がケガをするかしないかは建物の強さ、家具の配置など に左右されます。日頃自分が居る部屋の家具の配置をたしかめてみましょう。
また、このホームページでは「簡易耐震診断ソフト」を無料で配布しています。興味のあるかたは自分の家の耐震性能を確かめてみてください。

さて、一難去ってまた一難。地震の後はどうしますか?
「家に残る」という答えが多いと思います。しかし、もし水道官が断絶し蛇口から水が出なかったらどうしますか? 食料も備蓄がなければ買わなければいけませんが、スーパーも無事だという保障もありません。 冬場に暖をとるために必要となるガスも無事なのでしょうか?

阪神大震災では、約31万の被災者が避難を余儀なくされています。
家が壊れていなくてもライフラインが無事とは限らないのです。

それでは実際に避難するとしましょう。
従来型の防災訓練のとおり、覚えている決められている道筋にそって一緒苦戦に一時避難場所へ果たして何事もな 辿りつけるでしょうか?阪神大震災ではご存知の通り多くの家屋が延焼しています。自分が避難所へ向かう道筋が 塞がれてないとは言い切れないのです。

そこで、新しい防災訓練として考えられたのが発災型防災訓練です。
詳しい説明はあとのページになりますが、従来の防災訓練にはない予想できない災害に対する対応能力を養うものです。

 

3. 通信網の遮断、情報の不足

上記の阪神大震災の被害の要因としてあげられるのが通信網の断絶です。
断水による自家発電機の停止、電力供給の停止による電話の交換機の故障、新幹線に沿ってケーブルを設置していた通信網も使用不能となりました。 通信網の断絶は、上記の被害の要因ともなりました。情報の不足によって消防機関は初期消火活動に遅延を来たし、尊い命が失われました。
住民の方々の避難においても道路閉塞、火災発生地域などの被害情報が伝わらず迅速な避難ができなかったため失われた人命も少なくありません。 また、情報の断絶は救援物資の分配にも影響し、あるところでは不足し、あるところでは救援物資があまってしまうという事態を招きました。

この阪神・淡路大震災の教訓から「地域住民による被害情報収集」というものができました。 地震災害時には警察・消防機関も被災者となり、被害情報収集まで手がまわらなくなるというのが現状です。 そこで、地域住民の方々に協力してもらいs被害情報を収集するという考えが地域住民による被害情報収集です。

それではまず次のページで、無料で自宅の耐震診断が出来る「簡易耐震診断ソフト」を使ってみましょう。