建築学会関東支部
地震災害調査連絡会
会員各位

 昨日開かれた標記会議の議事録案をお送りします。まだ、九州支部から特に調査協力の要請が来ていませんので、当分は、それぞれの研究者の判断におまかせすることになりました。
 もし、調査に行かれるのであれば、九州支部長の崎野健次先生に日程や、調査の場所、参加者などについて、あらかじめご連絡いただき、福岡にお入りくだ さい。

塩原 等(東京大学)


                      2005年3月23日

日本建築学会関東支部 地震災害調査連絡会 臨時会 議事録案

記録: 東京都立大学大学院 北山和宏

日 時: 2005年3月22日 午後5時から午後7時30分まで
場 所: 建築会館 301会議室
出席者: 塩原、壁谷澤、北山、清家、楠原、山中、高橋、野口(事務局)
資 料: 1. 2005年3月20日福岡県西方沖地震に関する情報(AIJ災害委員会)HP表紙 塩原
     2. 関東支部地震災害調査連絡会 HP表紙 塩原
     3. 広岡建築事務所 松下氏の被害調査報告速報 塩原
     4. 福岡県西方沖地震で観測された地震動について 楠原
     5. 報道された内容の収集 高橋

 3月20日の福岡県西方沖地震の発生を受けて、関東支部としてどのような活動を行うべきか、あるいは貢献できるかについて議論するために今回の臨時会を開催した旨、はじめに塩原副代表より説明があった。
 今回の地震発生を他山の石とせず、関東支部内で地震が発生したときに地震災害調査連絡会が有効に機能するかどうかを確認する意味も含まれている。

(1) 被害調査速報(清家)
 清家氏が3月21日に被害調査したので、資料3を用いて福岡市中心地区の状況を報告していただいた。
・福岡ビル(1961年竣工)ではガラス約360枚が破損して落下した。これは枠の見込みが薄くてガラスの動く余地がなかったこと、横連窓であったことが主な原因と思われる。このような旧式の窓ガラスは破損の恐れが大きいことを指摘した。
・仕上げ材の落下は多く観察された。
・RC建物で大きな被害を受けたものは、4階建てで立入禁止となった建物と今泉地区の中層マンション(?)との二棟があるらしい。
・ガラスが数枚破損した程度の被害はかなり見られた。
・修猷館高校の新しい鉄骨造体育館の天井材が落下した。
・被害の分布についてはよく分からない。
・構造的に深刻な被害はあまり見かけなかった。

(2) 地震動について(楠原) K-netの記録から水平方向加速度が200galを超えた10地点について、記録を整理した。
・水平動の最大加速度は平戸で356gal、最大速度は福岡で58kine であった。
・加速度応答スペクトルを見ると1秒未満の短周期が卓越している。
・RC建物を想定して要求耐力比スペクトルを計算したところ、福岡では0.5秒未満の短周期建物において若干の塑性化が生じる結果となった。

(3) 各種報道内容の整理(高橋) 各種の報道内容を収集してまとめたものを紹介した。


(4) 九州支部の活動について(塩原) 崎野九州支部長が九州支部内に災害調査委員会を立ち上げた。重点調査項目として以下の6項目が紹介された。
 1. 玄海島の木造建物の悉皆調査
 2. 福岡ビルのガラス落下をはじめとする外装材の調査
 3. 重大な被害を受けた二棟のRC建物の詳細調査
 4. 耐震診断・耐震補強した建物の詳細調査
 5. ブロック塀の調査
 6. 地震動について

 関東支部としてどのような活動を行うべきかについて議論した。
・九州支部で扱っていない観点から協力することには意味があるだろう。(塩原)
・非構造部材については、被害を受けたものは直ぐに片づけられてしまうので業界の調査に任せることになると思う。(清家)
・玄海島については木造の被害と言うよりも地盤の破壊に伴う破壊であると思われる。(清家)
・大都市で発生した地震被害として重要である。(塩原)

 これらの議論を受けて、関東支部として被害調査団を送り出すことはしないが、九州支部からの要請があれば積極的に協力することを決定した。また個別に被害調査に出向く場合には、崎野支部長に連絡することとした。