2000年度 日本建築学会大会(東北)

会期=2000年9月8日〜10日 会場=日本大学工学部



免震解析(1)  2月8日(金) 1号館 123室

21264 衝突を考慮した免震構造物の弾塑性応答解析
             梶井丈史(工学院大学)・迫谷政則・久田嘉章


                   発表者:梶井丈史

はしがき
 近年、免震構造に対する関心が急激に高まる中、現段階では長周期成分が
卓越する震源近傍におけるM7.5以上の地震波を経験した例がない。そのような
地震が免震構造に入力した場合、免震層に大きな応答変位が生じ、クリアラン
スの設計値を超え、擁壁と衝突することが考えられる。そこで、本研究では、台
湾集集地震(1999年9月21日、M7.5)の強震記録を用いて免震層の衝突時の挙
動を、解析で明らかにすることを目的とする。


地震被害(1) (台湾集集地震) 9月8日(金) 1号館 122室

21005 1999年台湾・集集地震の震源域における強震観測点の
      配置状況と建物の被害状況に関する調査

            久保智弘(工学院大学)・久田嘉章・境茂樹・周東修平・新井洋

発表者:久保智弘


はしがき:
 集集地震(1999年9月21日)の後、著者らは震源域の強震観測点を中心に
調査した。1999年末に台湾・中央気象局より強震記録が公開されたため強震
動を記録した観測点の設置状況と周辺の被害状況と強震記録の特徴をまとめ、
ここに報告する。


地震防災システム 9月8日(金) 1号館 122室

21033 広域な面的震度情報を対象とした関東におけるリアルタイム
        地震情報システムに関する研究(その1)

      川名清三(工学院大学大学院)・柴山明寛・今北統夫・佐久間景子・久田嘉章

はしがき:
 1995年1月17日未明に発生した阪神・淡路大震災において、政府による参集・
被害状況の把握・情報収集の伝達といった、初動体制の遅れが生じた。それは、
都市規模や地域特性によって被害状況の変化の大小が把握しきれなく、震災直
後の対策が遅れたのではないかと思われている。そのため、「的確でかつ早急
な初動体制の発動の重要性と地域特性を踏まえた地震情報の活用」という問題
が浮き彫りにされ、今までの地震防災計画の大きな見直しが必要になった。この
教訓を踏まえて、今までの用いられてきた震度情報だけではなく、情報空白期に
おいて、積極的および迅速かつ広域な被害予想が必要だと考え、本研究を行う事
にした。
 本研究の目的はリアルタイム地震情報システムのフィージビリティスタディの一環
として、K-NET強震ネットワーク1)の点的な計測震度情報を用いて、面的な計測震
度分布を推定する方法を検討した。


21034 広域な面的震度情報を対象とした関東におけるリアルタイム
        地震情報システムに関する研究(その2)

       柴山明寛(工学院大学大学院)・川名清三・今北統夫・佐久間景子・久田嘉章

はしがき:
 前報では、K-NETでの点的な計測震度情報を用いて面的な計測震度分布を推定す
る手法について述べた。本報では、前報で述べた地盤増幅率の2つの手法について
具体的な算出事例と精度についての評価事例を示し、その考察を行う。


地震危険度評価(1) 9月8日(金) 1号館 122室

21048 直下型地震による東京都港区・木造家屋の地震被害想定
                石井将仁(工学院大学大学院)・河森公男・久田嘉章


                   発表者:石井将仁

はしがき:
 1992年の中央防災会議において、南関東地域の直下型地震の発生はある程度の
切迫感を有していると指摘された。そして、1995年に起きた兵庫県南部地震の様相に
より、災害に対する都市の脆弱性が明らかになり、これまでの地震防災対策の見直し
を迫られた。
 これまでの東京都が行った調査では、メッシュが500m単位と比較的マクロであるの
に対して、本研究では、最大地震動速度をパラメータとした被害関数を用いて町丁目ご
とで詳細な被害想定を行う。


地震動(1) 9月9日(金) 1号館 122室

21071 震源近傍における広域帯の強振動予測モデル
  −2次元断層におけるOmega-Inverse-Squared Model について-

                             
久田嘉章(工学院大学)


                                      発表者:久田嘉章

はしがき:
 1999年台湾・集集地震の震源近傍における強震記録においての顕著に見られたように、
震源近傍における強震記録には、加速度波形や破壊伝達のbackward方向の波形に見られ
るランダム性の強い特性と、断層運動による永久変形や破壊伝達のforward方向に見られる
長周期パルス波などコヒーレントな波動特性が混在する。わが国でも神津−松田断層帯で
10m程度の断層変位を伴うM8地震の可能性が指摘されるなど、震源近傍における現実的
な強震動予測モデルの構築が急務だと思われる。入倉他(1999)は、「レシピ」を提案して
いるが、長周期成分から永久変位など長周期成分を過小に評価してしまう。一方、久田(20
00)はOmega-Inverse-Squared Modelを提案し、ランダムな短周期成分から永久変位まで
に含むω2モデルを提案している。前報(1999)では簡便さのため1次元震源モデルを用い
ていたが、本報では、より現実的な2次元モデルを用いて特性をチェックする。