中村・宮武関数
注:以下はベンチマークテストstep4,T41モデルの入力例である。

Number of Time Windows Interval Time (s) Slip Velocity Func.(Rectangular=0; Triangle=1; Exponetial=2; Gaussian=3; Nakamura & Miyatake =4) fmax (Hz; only for Nakamura & Miyatake)

dtN (sec; dt fot only Nakamura & Miyatake)異なるdtによる中村-宮武関数のすべり速度関数(図1)とフーリエ振幅スペクトル(図2)
すべり速度関数(図1)
フーリエ振幅スペクトル(図2)

1 0 4 6 0.01
Time Window Number 1st Half Rise Time (s) 2nd Half Rise Time (s)
1 0.1 0




中村・宮武関数:

中村・宮武関数を用いる場合、Slip Velocity Func.で Nakamura & Miyatake = 4 を入力。Rise Time(立ち上がり時間)の設定は必要なく、
fmax と dtN の設定を要する。本プログラムでは、中村・宮武関数における時刻歴関数を指定された時間刻み(= dtN)で作成し、そのフーリエ変換を震源スペクトルとして用いる。
そのため、 時間刻み(= dtN) が十分小さな関数を用いて震源スペクトルに用いる必要がある。


   図1-1 中村-宮武(2000)によるすべり速度・加速度関数
(http://www.eri.u-tokyo.ac.jp/miyatake/SlipFunc-Prog.html)



         …(1-1)


     、        …(1-2)


    、  、   、       …(1-3)

である。tbは図1-2に示すように、すべり速度が立ち上がりの2次関数からKostrov型関数に移行する時間であり、(1-1)式にすべり変位を与えることで自動的に決定される。さらに、CとarはKostrov型関数から振幅0に移行するまでを1次関数で補間するための係数である。 具体的なパラメータの値は、全断層面をアスペリティーとしてレシピ(2008)に準拠して設定する。


    = 6 Hz、    ≒0.05305 s、   = 3000 m/s
    ≒0.6667 s、   =1 s

レシピでは破壊伝播速度(Vr)はVsの0.72倍としているが、ここではステップ2のT21モデルや、同時に実施している統計的グリーン関数法のベンチマークテストのモデルに整合させるため、3000 m/sとした。一方、実行応力Δσは、円形クラックの静的応力降下量(Eshelby 、1957)より算出する。


     ≒1.3952×107 (Pa)=13.952 (MPa)、


ここで、M0=μDLW≒1.03674×1018 (Nm)、μ=ρVs2≒3.2398×1010 (Pa)、D=1 mである。またRは断層面を円に置き換えたときの等価半径であり、R≒3191.5 mである。よって、Vmは

     ≒5.168 m/s

と求まる。その他のパラメータは、中村-宮武(2000)によるフォートランコードを用いて、次の値を得る。

      tb≒0.08284 s,   c≒0.58094 m/s,    ar≒1.7427 m/s/s,    b≒0.45000    ε≒0.06667

これらの値によるすべり速度・加速度関数を図1-3に、そのフーリエ振幅スペクトルを図1-4に示す。Hisada(1991)などで議論されているように、すべり加速度関数のスペクトルはFmaxより低振動数ではほぼフラット、Fmaxより高振動数では1/ωのオーダーで減少する関数となっている。




                                図1-3 すべり速度・加速度関数




                図1-4 すべり速度・加速度関数のフーリエ振幅スペクトル