芸予地震被害調査報告その4

 

1.       調査概要

調査日:3月27日

調査メンバー:広島工業大学工学部佐藤立美研究室 杉本 裕

調査範囲:広島市西区→中区

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2.       調査行程と被害状況

9:00 広島市西区最左端の広島工業大学高等学校付近から調査開始。

9:10 西区商工センターで主に広島湾寄りの建物を調査。被害は著しく少なく,作業所内はいずれも混乱した様子はなかった。ただし,多くのコンクリートブロック塀でひび割れが見られた。

9:30 商工センター2-15,INCHOビルのピロティ柱部で微小な曲げひび割れを確認。

9:50 一時,大学へ戻る。

12:30 調査再開。宮島街道沿いに西広島駅方面へ。

13:00 西広島バイパス入口交差点,日本通商本社ビルの前面道路側の柱でせん断ひび割れが見られた。他は無被害であった。

13:20 西広島駅前商店街の一部で外壁が崩れ落ち,補修工事が行われていた。また,柱のカバーコンクリート部が落下している建物が2棟見られた。

13:50 新己斐橋を渡り,天満町,中広町経由で広瀬町に到着。西広島駅からここまで,目立った被害は見られなかった。広瀬神社にて,南側に傾いている木造建物を確認。

14:20 寺町の通りで,塀の瓦崩壊と縦ひび割れが随所に見られた。また,いくつかの墓石が東西方向に転倒していた。木造の寺では,開口周りの漆喰壁にひび割れ,剥落が見られた。

14:40 横川商店街は無被害。横川2-13,須弥山堂は通り側外壁が崩れ落ち,躯体の鉄骨が露出していた。

15:10 基町高層アパート群のほとんどの柱で,恐らくは元々生じていた曲げひび割れが進展,拡大した形跡が見られた(雨水などで汚れたひび割れから,きれいなひび割れが伸びていること等)。

15:40 平和公園,大手町では主だった被害は見られず,広島赤十字原爆病院前に到着した。赤十字専門学校の通り側1階柱脚で付着ひび割れが見られた。

16:00 修道学園で被害が無いことを確認し,吉島,光南地区をまわったが,特に被害無し。吉島小北交差点付近で,木造建物の外壁に開口隅角部からのひび割れが見られ,その前面道路にも大きなひび割れが生じていた。

16:40 江波地区では,江波山公園,江波皿山公園など急傾斜地があるが,特に被害は見られなかった。また,広島商業高校12号棟でも1階ひさし裏で若干のひび割れ,剥離が見られた以外は際立つ被害は無かった。

17:20 観音新町地区の三菱グラウンドでは,地震当日に液状化被害が報道されたが,調査時には既に整備されていた。西飛行場は滑走路に特に被害は無い様子で,ターミナルでは外壁の一部にひび割れが見られた。

18:00 調査終了。佐藤教授へ報告。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


写真1. 日本通商本社ビル柱の       写真2. 西広島駅前商店街

        せん断ひび割れ              柱の破壊状況

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


写真3. 西広島駅前商店街の外壁剥落状況    写真4. 広瀬神社敷地内木造建物の傾き

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


写真5. 寺町通りの塀の破壊状況       写真6. 須弥山堂の破壊状況

 

 

 


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

写真7. 真行寺(寺町)の破壊状況      写真8. 基町高層アパートの柱の曲げひび割れ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


写真9. 赤十字専門学校の通り側1階柱脚    写真10. 吉島小北交差点付近

    のひび割れ状況                 道路の破壊状況

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


写真11. 広島商業高校12号棟         写真12.三菱グラウンド液状化被害状況(3月24日)